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今回発表された2製品
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セイコーエプソン株式会社は6月14日、オフィリオプリンタシリーズのラインアップ強化として、A3カラー対応のページプリンタLP-S6000およびLP-S5000を発表。さらに、ネットワーク上での効率的なプリンタ管理を実現する印刷管理ソフト「Offirio SynergyWare PrintDirector」を6月下旬から発売する。
今回の製品によってエプソンは、オフィスのプリンティング環境において、「分散配置」と「集中管理」を新たに提案。新製品は、これを実現するための製品と位置づけているのが特徴だ。
「これまではひとつのフロアでプリンタを共有する集中化が主流だったが、この仕組みは、管理者の管理効率はあがるものの、利用者は待ち時間が発生する、セキュリティ面で不安があるなどの問題を抱えており、むしろ使いにくいという声が多い。新製品では、分散配置によって、ユーザーの効率的な利用環境と、セキュリティ面での課題解決、分散配置を実現するためのデスクトップサイズを達成。それでいて集中管理が可能な機能の提供を図る」(エプソン販売・平野精一常務取締役)という。
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機器の分散配置と集中管理を提案
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エプソン販売・平野精一常務取締役
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LP-S6000は、カラーで24枚/分、モノクロで30枚/分の高速印刷と、設置面積で0.32平方メートルのデスクトップサイズの省スペース化を実現。「集中化した既存のプリンタからの置き換えに適している」としている。
定着ユニットおよび転写ユニットなどの定期交換部品を、ユーザー自身が交換できる方式を採用。これにより、ダウンタイムの短縮が図れるとしている。プリンタドライバで設定したパスワードをプリンタのパネル上から入力することで認証印刷を行ったり、透かし印刷による不正コピー防止などのセキュリティ印刷にも対応している。価格は17万9800円(税別)。
また、LP-S5000は、カラーは8枚/分としながらも、モノクロでは35.8枚/分というモノクロでの高速印字を強化した製品。エプソンの高画質印刷技術を採用、にじみのない印字を実現している。価格は13万9800円(税別)。
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LP-S6000
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LP-S5000
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Offirio SynergyWare PrintDirectorのユーザー管理画面
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こうした分散配置に適したページプリンタ本体に加えて、新たに用意したOffirio SynergyWare PrintDirectorは、分散配置されたプリンタを効率的に集中管理することを目指したソフト。中小企業の経営者や、部門および全社のIT管理者の管理効率を高めることができる。価格は15万円(税別)。
そのほか、分散配置されたプリンタの個人認証印刷を、Active Directoryとの連携認証を実現するなど、IT管理者のユーザー管理業務の効率化を実現するOffirio SynergyWare認証プロキシ(価格15万円、税別)も投入する。
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セイコーエプソンビジネス機器事業部長・小池清文氏
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セイコーエプソン情報機器事業本部長・小口徹氏
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LP事業のターゲット市場と業務
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セイコーエプソンビジネス機器事業部長・小池清文氏は、今年5月に、ビジネスシステム、ページプリンタ、業務向けインクジェットプリンタ、ラージフォーマットプリンタなどの事業を一本化し、ビジネス機器事業部を発足したことに触れながら、「これまで当社がターゲットとしていたページプリンタの市場は、中堅企業、地方自治体、中小企業、SOHO分野。これらの市場には引き続き、高いコストパフォーマンスを提供できる一方、今回の製品では、印刷管理ツールやセキュリティ環境の提供、リモート監視機能などによって、IT管理部門の業務効率とROIの向上を実現できることから、大企業、官公庁にもターゲットを拡大することができる。また、組織の一本化によって、ビジネスシステムで展開してきた業種・業態、特定業務向けの手法を、ページプリンタ事業に持ち込むことができる。TCO削減の提案や、特定業務向けのカスタマイズ対応によって、こうした領域にもターゲットを拡大し、ページプリンタ事業の拡大を図る」とした。
セイコーエプソン情報機器事業本部長・小口徹氏は、「2年ぶりの新製品投入。その間、エプソンは本気でページプリンタをやるつもりなのか、という声をいただいた。2年間、今回の新製品投入に向けた仕込みに時間をかけてきた。今後も引き続き、新製品の投入を予定している」とした。
エプソンでは、今年度17万台のページプリンタの販売計画を打ち出しているが、そのうち、カラーページプリンタで6万2000台、今回の新製品で3万2000台の販売を見込む。
「現在の国内シェアは25%。昨年は新製品の投入がなかったためシェアは減少しているが、今年度以降、この分野に注力して、シェアを引き上げていく」(平野常務取締役)と意欲を見せる。
「プリンタ事業は、ワールドワイドではコンシューマ55%に対して、ビジネスが45%。これを2010年には、ヒジネスを55%と逆転し、ビジネス事業を主体としたい。日本では、すでにビジネスが6割を占めているが、今後もページプリンタの新製品を投入することで、事業を拡大していく」(小口事業本部長)とした。
■ URL
セイコーエプソン株式会社
http://www.epson.jp/
ニュースリリース
http://www.epson.jp/osirase/2007/070614_2.htm
( 大河原 克行 )
2007/06/14 13:23
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